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執筆者の写真地引 由美 Yumi JIBIKI

香料の故郷の国々

 人類の香料の使用は、青銅器時代にはすでにアラビア南部からメソポタミアに広がっていき、次いで北方の道からレバント地方に、また海上からペルシャ湾へと向かいました。アラブ諸国は古代から香料の生産地であり、生活に於いて香料を活用して来ました。

 ラ コゼット パフュメ会員様に毎月1日に送信させて頂いているEメールニュースの連載記事『香水のシンフォニー』でもお伝えしている様に、古代の人々が香料を使い始めた頃、アラブ諸国は重要な香料の産地であり、現在も香水用の香料を多く産出しています。



 某アラブ諸国に駐在されていた元大使夫人からお知らせ頂いた、駐日アラブ大使夫人の会主催のチャリティイベント。ラコゼ会員の皆さまにご案内したところ、暖かいお気持ちが集まりましたので、お届けしてまいりました。  真夏の様に暑い日の早い時間に訪れたのは、アルジェリア民主人民共和国 駐日大使公邸。その中庭に、各国大使夫人達のお手製のお料理がのせられたテーブルが並べられていて、どれもとても美味しそうです。こちらは、アルジェリア大使館のクスクス。レーズンとクルミがたっぷり。そして、クスクスは軽くてフカフカのふわっふわ!


 こちらはチュニジア共和国のクスクスです。ニンジン、かぼちゃ、ひよこ豆、鳥のモモ肉がのせられた、香辛料の香り豊かな、スパイシーな味わいです。



 レバノン共和国は、ランチボックススタイルで。レーズンやピスタチオが添えられたインディカ米に、レバノン風チキン。サラダにフルーツ。



 添えられていたメッセージ。


 クウェート国のデザートは、ドライのいちじく、アンズ、デーツ、レーズンなどが蜜漬けにされていて、滋養たっぷりの深い味わいがクセになりそう。毎日、頂きたいくらい。

 焼き菓子もありましたので、翌々日のラコゼのお茶菓子用に求めました。


 ラコゼ会員の皆さまに、大好評でした。

 日常の生活でアラブ諸国に想いが至ることは少ないかも知れませんが、この様な機会にほんの少しでも考えてみる、それだけでも世界は良い状況に向かうのだと思います。フレンドリーに話しかけて下さる大使夫人たちとおしゃべりさせて頂きながら、アルジェリアのある青年のことを思い出していました。

 フランスの地方都市でフランス語研修プログラムに参加していた時のこと。滞在していたホテルには、私たちと別のプログラムに参加しているアルジェリアの高校生のグループがいました。その中の一人の大人びた男子生徒とロビーで話すようになり、世界の見方についてまだ若い彼から教えられることがありました。帰国してから手紙を出したけれど、返事はなく。いつの間にか忘れた頃に、小包が届きました。中にはサハラ砂漠の砂で作られたペン立てに添えられて、それまで嗅いだことのない心地よい香りのする手触りの良い便箋に、詩的な文章で、兵役について国境の警備にあたっていた為に長い間手紙を受け取れず、返事が遅くなったことのお詫びが綴られていました。その後、SNSで繋がることもできた彼は立派な男性になっていて、このブログの1枚目の画像にあるデザートローズ(砂漠の薔薇)と呼ばれる美しい形の石を送って来てくれました。いつの日にか、彼とまた再会できることを夢見ています。あの頃、私のフランス語が拙すぎて話せなかった色々を語り合いたい。

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