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  • 執筆者の写真地引 由美 Yumi JIBIKI

ラリックとパリのエスプリ

 ラリックという名前は香水の歴史にも燦然と刻まれています。パリの一流宝飾店で見習いから始めたルネ・ラリックは、宝石の価値だけでなく彼のデザインによって宝飾品の価値を高め、顧客はもちろん、同業者からも高く評価されるようになります。1900年のパリ万博では一流の批評家達も彼をパリの宝飾芸術の第一人者として認めていました。



 1907年、香水王と呼ばれていたフランソワ・コティに香水のエチケット(=ラベル)のデザインを依頼されたルネ・ラリックは、香水のボトルのデザインと製造も提案します。この年、二人の時代の寵児がヴァンドーム広場で出会うのは必然だったのでしょう。当時の香水はまだ、まるで薬瓶のようなシンプルなボトルに充填されて売られていました。ましてや、香水瓶の栓までを美しく飾ろうなんて考えていなかった頃です。「香水もまた芸術のひとつである」と考えたフランソワ・コティは、宝飾品デザインのセンスを香水ボトルのデザインでも発揮してくれるだろうと、ルネ・ラリックの手腕を信じたのです。パリ近郊にアトリエと工場を増設し、香水の世界でのルネ・ラリックの快進撃が始まりました。



 1925年のパリで行われた現代装飾美術展。目をみはるばかりの高さ12mのガラスの噴水「フランスの泉(Les sources de France)」が発表されます。その頃には、すでにガラスを自在に操ることができたラリックの創作の集大成でした。



 クラシックな香水瓶などは、箱根ラリック美術館で見ることが出来ます。現在でも、ラリックの香水ボトルのデザインはとても美しく、洗練されています。そして、様々なテーマで発表されるその年の限定フレグランスの美しさはひとしおです。



 1888年に創業してから130年という時を重ねて、現在のラリックはグローバルライフスタイルブランドとして、歴史と伝統をベースに、新しい展開を見せています。そのベースはルネ・ラリックと、二番目の妻、アリス、そして娘スザンヌの、ガラス芸術への尽きない情熱にあります。


 ここまでの画像は、ラリック 銀座本店のオープニングの時のもの。先日もまた、訪問させて頂きました。



 エントランスでは、フレグランスが華やかに出迎えてくれます。



 現在ラリックが展開する6つの活動は  1.  装飾品(Decoration)  2. フレグランス(Fragrance)  3. 芸術品(Art)  4. ワイン&ホテル(Wine and Hotel)  5. 宝飾品(Jewelry)  6. インテリア その先鞭をつけたのはルネ・ラリック自身だということを聞くと嬉しいですね。美しいものがある暮らしが大好きな女性から支持されるのも頷けます。



 もちろん、男性からも。お部屋に置ける現代的かつ重厚感あるアイテムや、フレグランスは素晴らしいです。


 ラリックに囲まれて戴くラリックのワインは格別。



 メゾンではさらに美味しく戴くアドバイスまでお聞きすることが出来ます。



 とても高級そうで敷居が高いわ、と思われる方も多そうですが、気軽に手に取れるアクセサリーシリーズ『マイ ファースト ラリック』も好評だそうです。私も一つ、お気に入りを見つけました。7月からの香水講座では毎回身につけようと思っています。


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