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執筆者の写真地引 由美 Yumi JIBIKI

秋のカンヌ

更新日:2019年12月13日

昨日深夜の羽田空港からエール フランスで飛び立ちました。最初のフランス旅行こそJALでしたが、その後はほとんどエールフランス を利用しています。機内からフランスの雰囲気をたのしみたいのと、CAの方との会話で、到着前にフランス語の勘を取り戻したい為。年齢と共にすぐに外国語が出て来なくなって困ります。 日本の航空会社の規程ではCAの方が香水を付けるのはNGなことが多いですが、エールフランスはCAの方それぞれが個性に似合う香りを纏っていらっしゃるのも嬉しいポイントです。やや尾籠な話ですが、機内のトイレットに入ったらとても良い香りがしました。見ると個室内の小さな棚にキッチンペーパーで作った折り紙のローズの花に香りを染み込ませた、インスタントフレグランスディフューザーが置いてありました。どなたが作られたのかしらと思ったら、日本人のCAの方でした。リフレッシュ出来てかつ、ポジティブになるような、クラシックなオーデコロンタイプのノートに、明るいオレンジをプラスしたような香りです。「何の香りをスプレーしてあるのですか?」「今、エール フランス のビジネスクラスのアメニティに使用されているクラランスのオーディナミザントです」。

日本で纏う時よりもメンズフレグランス寄りに感じられたので、聞いて驚きました。そして限られたアイテムしか積み込めない飛行機内で、手作りの香りアイテムでのおもてなしに嬉しくなりました。

日本から南仏までは直行便がないので、パリのシャルル・ド ・ゴール空港で乗り継ぎます。パリの朝5時は気温4度。冷たい雨が降っています。

ニース=コートダジュール国際空港に近づくと、だんだん空が明るくなって来ました。今回の滞在はカンヌ。オーナーのセンスが素晴らしい個人所有のアパルトマンで、お部屋からは地中海とヨット。そして生き生きと飛び交うカモメの姿が見えます。


日曜日のお昼前だったので、マルシェに連れて行って頂きました。



バカンスシーズンと違い、買い物客は地元の人らしき方ばかり。



鮮やかなクレメンタイン。Kaki Pommeという日本のものとは少し様子が違う艶々とした柿。りんごは5種類以上並んでいます。



フランスで取れた(国産ですね)セップ茸。



とても大きなセップ茸は赤文字でピレネー産と書いてあります。とても美味しそうです。



日曜日なのでお店はしまっていますが、ウィンドウを眺めながらカンヌの街を散策します。



ペタンクをするグループ。何でも売っている蚤の市。地元の人々がたのしんでいる穏やかな日曜日です。煌びやかなイメージのカンヌですが、こんな日は昔日の長閑な漁村の雰囲気を感じます。

夜は素敵なムッシューのご自宅でディナーをご馳走になりました。ニシンの酢漬けにバターナッツ南瓜のスープ。スズキの蒸し焼きの付け合わせはじゃがいものピュレ(生クリームたっぷりのマッシュポテト)。すべてムッシューの手料理です。さぁピュレにこれをかけよう、と出してくださったのは冷凍庫に常備されている黒トリュフ、丸ごと1個!え〜?というくらいたっぷりかけてくださって。黒トリュフの香りについて、日本人の感じ方と、フランス人の感じ方の差がまた興味深く、さらにはグラースのパフューマー事情など、お話は尽きない夜でした。 という訳で、フランス到着1日目はとろりと甘い赤ワインとフロマージュの香りで締めとなりました。

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