ご尊敬申し上げる中野香織先生の新著は安西洋之氏との共著『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』です。
これからの未来の新しい『ラグジュアリー』について、歴史を検証し、現代の事例が豊富に取り上げられています。
1〜10までの各講義は理解しやすいことも、難しいこともありましたが、先へ先へと読み進めたくて止まりません。
読み終わって頭に浮かんだのは、10年前に訪れたトスカーナの、とある工房。
「床を作っている」と聞いて初め「?」となりましたが。
エルミタージュ美術館の床などです、と聞いてさらに驚いたことを思い出します。
この様な床です。
この工房に飾られていた、働く方々のポートレートがとても素敵で。 ラグジュアリーはそれが生み出される製造の現場からして、なんというのでしょう、そこからしてきっと美しい。人々から支持されて透明性の高い生産システムが常識となれば、バングラデシュの縫製工場の様な事故は二度と起こらないでしょう。
香水におけるラグジュアリーとは、と考えつつ、庭のバラの花びらを栞がわりに読み進め、読後は10枚以上も挟んでありました。何回も読み返したいと思います。
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