2019年の11月を最後に、フランスに行っていません。こんな事だったら、あの時オペラ座でバレエを観ておけば良かったと何度思ったことでしょう。コロナ禍でも新しいエトワールは誕生し(こちらのブログに書きました)、芸術監督はオレリー・デュポンさんからジョゼ・マルティネスさんへと変わり、気になることばかりです。 かすかにでもオペラ座の香りを感じたいと思い、リニューアルしたアーティゾン美術館の パリ・オペラ座 - 響き合う芸術の殿堂 展へ。初日ですが来場時間の予約は16:00にして、ゆっくりと出かけました。
都心、京橋にあるビルの1〜6階まで構成されている美術館です。旧ブリヂストン美術館の頃の営業の男性と思しき人が展示室のベンチで居眠りしていた、そんな面影は全くなくなく、シックで素敵です。なぜか、この2階から3階に上がるエスカレーターのスペースはパリの空港の香りがしました。展覧会の入り口からは、オペラ座の柿落としの上演作品、シェヘラザードが聞こえてきます。
オペラ座の設計図、文献、舞台美術、関連芸術など見応えたっぷりでした。中でも気になるのは19世紀のバレエ関連の展示です。1832年のマリー・タリオーニの自筆の手紙や、彼女が所有していた "トウシューズ" には感動しました。でも日本語では "トウシューズ" と記載されていたけれど、ボックスもクラウンもプラットフォームもなくて、どうやって立ったのだろうと不思議に思いました。現在とは経ち方が異なったとしても構造的に無理がある気がします(確認したら、英語ではBallet Shose となっていますね)。 そして20世紀の展示コーナーでは、私のアイドルであるロシアバレエの立役者、セルゲイ・ディアギレフの私物の展示がありました。彼の旅行用の時計はカルティエ製だったのですね。今のカルティエのフレグランスケースと同じ様な大きさ。フレグランスケースの方が、この旅行用時計からインスピレーションを受けたデザインなのかもしれませんね。
出かける前に、どの香水をつけていこうかと考えて。ディアギレフが愛用してた ミツコ / ゲラン か、ラグジュアリーな香水ブランド ロジャ ダヴのディアギレフにするか。少し迷って、ディアギレフを纏っていきました。
ゆっくりと観て回り、外に出たらもう夜になっていました。美術館の中も、ミュージアムショップもなかなかの人出でした。
Comments